これは演劇ではないブログ|これは演劇ではない | This is not the Theater.
これは演劇ではない俳優ブログ 10《2019.1.24》

西山真来(青年団)(カゲヤマ気象台『幸福な島の誕生』出演)

「これは演劇ではない」内「幸福な島の誕生」も千秋楽を迎え、フェスも今日のAokidさんのアフターイベントを残すのみです。(21日昼現在)

とても多くのことを感じ考えたフェスだったので覚え書き。

アゴラ劇場は見慣れた劇場だったけど、コンクリートと木と鉄骨でできてるんだな、劇空間である前に物体なんだな、と今回初めて気づきました。皆さん素材として扱ってたから。

あとアゴラで演劇をするときは大抵、一階の楽屋から裏階段を足音をたてないよう静かに上がって小扉から楽屋袖に入ってましたが、建物の構造的には一階からの梯子で入るかエレベーターの方が便利だなと思いました。 なのに今まで忍び足で小扉から入って「嘘」を作りに集まって…て、変な行為だなーって思いました。
その変な行為のこと愛してるなーと思うけど、ちゃんと愛するためには「ここにあるのはただの物体でしかない(予めドラマが用意されてるわけではない)」ということを知っておく必要があるなと思いました。 いろんな価値観の現場があるけれど「これは演劇ではない」通過俳優として、それは基準にしたいです。

オフィスマウンテン カゲヤマ気象台 新聞家 青年団リンク キュイ ヌトミック モメラス Aokid all


これは演劇ではない俳優ブログ 2《2019.1.3》

福原冠(範宙遊泳)(ヌトミック『ネバーマインド』出演)

はじめまして、福原冠です。
ヌトミック「ネバーマインド」稽古初日から本番初日までの34日間。
上から読むも良し下から読むもよし。
それもあなたの選択です。
それではどうぞ。


2019.1.3 日付変わって今日が初日。「ネバーマインド」素晴らしく突き抜けた時間と空間になりますように。

2019.1.2 昼まで寝る。ゴロゴロしながらalgernon cadwalladerの動画を見る。ギターの人が指で弾いてるのに妙に勇気付けられる。そうだよね、別に弾きやすいように弾けばいいんだよね!新しいDJミックスを録ろうと試みるも気分が上がらず。半年前はいいと思ったアイディアが今はかっこよく思えない。夜は台本のことぐるぐる考える。考えすぎるとまずい気がするので程よく。

2019.1.1 朝からアゴラ劇場。舞台監督鳥養ちゃんと何してるんだろうねって笑っちゃった。場当たりしてゲネプロして稽古。照明さんの見たことない照明に笑ってしまった。みんなで初詣もした。小吉。攻めるな着実に行け!引っ越すな!だそうです。

2018.12.31 若干風邪気味。Tommy GuerreroのRoad to nowhereが年末の気分にバカハマり。夜に復活して溜まったメールを返したり出したりサウナかましてるうちに年越し。死ぬほどクラブに行こうか迷ったけど翌日小屋入りなの。

2018.12.30 ヌトミック稽古。2幕と3幕をひたすら稽古。最後のピースがはまった感じ。よっし。夜はトリウッドにてさんぴんのドキュメンタリー映画「あなたの人生、いただきます-DOCUMENTARY of SANPIN31-」トーク。事前に見ていなかったのでこの日が初鑑賞。トーク開始0秒ではらはら泣いてしまった。すんません。。もう嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。さんぴん 終わってから自分の中に湧き上がるものがなかったらどうしようという不安がずっとあったけど、映画を見てそんなこと考えてる場合じゃないと吹き飛んだ。絶対にさんぴんはやる。何かが思いつける予感はしている。もうそのインスピレーションに従う。朝までカラオケに行きラーメンを食べみんなと別れた瞬間にリバース。あざます。

2018.12.29 この日も昼コムナルカ夜ヌトミックという日。どちらも通した。コムナルカは通して分かってきたことがある。曖昧な状態なものも一応の完成を目指すことが大事。芝居の稽古やれてるって感じれると嬉しい。まだまだ時間はあるでござるよ。この日がコムナルカは年内最後の稽古。いま劇場で試せてまじで本当によかった。ヌトミックは2幕がより鮮明になってきた。積み上がっていく感じが楽しい。3幕も深まった。夜はさんぴん制作さんと電話。上映会の様子を聞いてホクホク。夜中にPenfoldの動画を見て無茶苦茶感動する。I’ll take you everywhere すんげー名曲。。。

2018.12.28 昼コムナルカ稽古。この日と次の日は本番の会場であるVACANTで稽古。ありがたい。もう様子を見るのやめたので容赦なくいく!!どうにか芝居の稽古まで辿り着きたいという面持ち。選曲といいつつ70曲ぐらい持ってきてしまったけど、いくつかハマった瞬間はあった。おっし。夜はヌトミック稽古。3幕を中心にやったと思う。やりながら色々と考えた。

2018.12.27 コムナルカ稽古。可能な限りくっきりできることをくっきりさせてみる。残り時間は短いけど、時間かけた甲斐あったねっていうラインが見えてきた。ゾーシチェンコから「俳優たちの夜」というタイトルが指し示すものにたどり着きたい。こちらも色々と見えてきた模様。やるべきことの方向性が見えてきた模様。帰りに新宿のタワレコに寄ってあれこれ。新宿と渋谷のタワレコを世界遺産に!転換に使えそうな曲を選曲して寝る。

2018.12.26 ヌトミック稽古。できているとこまでスタッフさんに見せる日だった。額田くんの感じている「いい予感」を言語化しつつ、自分が考えていることを溶かしつつ進めていこうってなったと思う。一気に前進してる感。いい逆算ができそう。紛れもなくこれは演劇だ。キュイの作品も見る。果てし無くいろんなこと思ったけど見てよかった。突き抜けよう。

2018.12.25 またもや昼に観劇。前回公演のDVDもゲトる。終演後、フェラ・クティ(だったと思う)が流れてるのもあがった。あとそうこの日は10ぐらい年下のHくんと音楽の話やら写真の話やらいっぱい話した。お互いのおすすめを教えあうのも楽しいけど二人で二人の知らない人をディグしてくのも楽しい。Hくんにも今日見た劇団を押す。押しつつ演劇って見ないと分からないからな、さっきまで話してた音楽みたくさっと紹介できないのストレスだなってなる。もっとユーチューブとかで見れたらいいのになと思った。

2018.12.24 あ、違うこの日がシーンを繋げた日だ。もっと考えたいしもっと試したい、いまはひたすらにそんな感じ。夜のこと、その周辺のこと、できたらその先のこともタッチできたらなとも個人的には思ってる。転換の曲はいろいろアイディア持っていこうと思う。この日も途中抜け。さんぴんの映画のこともやりとりを少しづつ。お客さん入るといいなあ。夜はヌトミックのことをぐるぐる考える。気づいたこといくつか。立つ上での指針がぐっとできたきがする。深夜にアガリスク塩原くんにライン。ごめん絶対に寝てるけどごめんと思いつつライン。

2018.12.23 コムナルカ稽古からの打ち合わせリベンジ。稽古はできてるシーンをざっくり繋げてみる作業。荒削りをブラッシュアップさせたい欲が半端なかったけど途中抜け。くそー!打ち合わせは某劇場の人と。某劇場の人、かっこいいなあと思っていたら実は俳優さんだった。さんぴんのこと、ものすごく喋った。いまどこでやってみたいか、何に興味があるのか。でもさんぴん、秋のツアーで出し切った感がやっぱりあって、若干まだ抜け殻気味。いろんなものを見て聞いて考えよう。それしかないとも思ってる。夜は有楽町にご飯を食べにいった。地上うんメートルの空の上で食べるフォアグラとシャンパン、からの地上0メートル駅近で食べる鮭とばとホッピー。これぞ極上のワンループ(QNくんのリリック参照のこと!)こういうことたまにしないと死んじゃう。やっぱり食べるって面白いし食べに行くことって面白い。食べてるそこに景色があれば背景もある、そこにかかってる(あるいは演奏されてる)音楽がある。

2018.12.22 夜コムナルカ稽古。グループワーク、前回ざっくり作ったもののお披露目。なんとなくスカった印象。悔しい、、!コムナルカの組み立て方が自分の中でまだ見えていない。ちょっと焦る。

2018.12.21 朝から打ち合わせ、のはずだったんだけど、財布を忘れて打ち合わせ場所の横浜までたどり着けず。マジですみませんでした。反省。でも夕方には髪を着るために結局横浜には行くっていうね。夜はヌトミック稽古。今日で色々と考えるべきことが分かった気がした。こういう作品ほど出る人は考えなきゃ。分厚く分厚く。役者の人が立つってどういうことか。考える考える考える。

2018.12.20 とある方から本をいただく。ベテラン俳優さんがベテラン俳優さんになるまでのインタビュー集。これがもう、ちょっと気軽に読めない濃さ。厚さ。いや熱さ。挑戦しなきゃ。勉強しなきゃ。内山さんありがとう。。夜は吉祥寺でDJ。4410さんとのB2Bはいつも楽しい。でもハードコアかけるときの自分にちょっと飽きてる自分もいて、そろそろ何かできる気がする。ノリもいいんだけどもっとなんかしたいなあ。パブリックアドレスはいつも最高。そろそろ新しくミックス作りたい。

2018.12.19 鎌倉に行った。某イベント用に動画を撮るため。12月の由比ヶ浜は風が強くて笑っちゃうぐらい寒かった。真冬の海に飛び込んだのは人生で初だと思う。夜は清澄白河で日本舞踊を見た。俳優さん3人による会。いつお稽古お稽古してたんだろうというぐらいに超絶忙しいお3人。すごかった。。清澄白河でも沖縄料理屋に。沖縄で食べれなかったスーチカーを注文。

2018.12.18 昼は範宙遊泳の稽古。稽古というかあれはなんだ、打ち合わせ?そのままラジオ収録。夜はヌトミック稽古。2幕を本格的にやりはじめたはず。この日あたりからほんのりと作品について疑問が湧きはじめているはず。ぐるぐるし始めます。

2018.12.17 レコード屋に行ったり楽器屋に行ったりプールに行ったり喫茶店に行ったりした。

2018.12.16 昼はコムナルカ稽古。グループワークをひたすら。コメントを可能な限り削って物語を立ち上げる時、語られるその言葉の選択と発語が気になった。卓磨さんのかける言葉はそれが些細なものであっても勇気が湧く。夜はヌトミック公開稽古。衣装をみんなで決めたり、決まり切ってない部分をお客さんに聞いてみたりしつつ緩やかな緊張感の中でぐんぐん進んだ。3幕のアイディアも試せてよかった。額田くんは決断のスピードが早い。選ぶのも早いけど捨てるのも早い。終わってからみんなで沖縄料理。さんぴん終わってから飲み行こうってなったとき沖縄料理あるとけっこう行きたい感じになる。さんぴんハイでいいかんじになる。

2018.12.15 夜はヌトミック稽古。1幕と3幕もタッチしたはずだけど、あれ、2幕の記憶がない。。夜は「うまれてないからまだしねない」台本再び。あれこれ妄想。さんぴんのウェブいじったのもこの日かな。

2018.12.14 朝からオーディション。そこから北千住で映画を見て夜は熊川・埜本とビール。イギリスから帰ってきたばかりの幸良さんから色々聞いてやっぱりイギリス行きたいなと思う。最近のこと来年のことを話す。最近のこと来年のことを話す。

2018.12.13 お昼に観劇。できることならお芝居とか映画とか夜見たい派なんだけど、仕方なし。お芝居って別の誰かになれるから面白いよなって何を今更みたいなことを改めて思った。今はその距離が遠ければ遠いほど面白いよなって感じる。越えられない壁を越えようとする様がいいって今はそういう気分。この日で大掃除及び若干の模様替えは完了したはず。フリーペーパーなどざくざく読んだ。

2018.12.12 朝からニュースで気が滅入る。夜ヌトミック稽古。撮影は多分この日だったかな。1幕を主に稽古。こうして振り返ってみると1幕にかなり丁寧にやっているのかもしれない。額田くんの地元の友達ケイスケくん(名前違ってたらすみません!)もこの日あたりに登場したと思う。ケイスケくん、面白い。多分この日は夜中に友達と飲んだ。4時ごろまでいたと思う。

2018.12.11 昼はさんぴんのこと考えたりしつつ、ヌトミックの準備。「うまれてないからまだしねない」の台本も読んだと思う。夜はヌトミック稽古。16日の公開稽古で何をするか、それとこの日はもしかしたらテレビ撮影用の稽古もしたかもしれない。

2018.12.10 この日も狂った様にものを処分し、いらない服やレコードや本などを整理したりしたはず。読んでない謎のフリーペーパーとかもこつこつ読んだりしたよきっと。ギターもちょっとは弾いただろうさ。昔のドラマも見たたかもしれない。あとそうだ、さんぴんのことを詰めているはずだ。

2018.12.9 この日もお昼にヌトミック稽古。もしかしたら1幕を通して2幕に突入したのがこの日だったかもしれない。この頃はまだ体力使う作品だなあぐらいにしか思ってないかったと思う。おそらくこの日ぐらいから部屋の大掃除を始めていると思う。今年(もう去年だけど)はもうオフらしいオフがないから今のうちから大掃除。いつからか物をひたすらに無くしていきたくなる衝動があって、この時期はかなりその気があったと思う。

2018.12.8 昼はヌトミック稽古。この日も1幕をゴリゴリやる。夜はコムナルカ稽古。コムナルカはミハエル・ゾーシチェンコの短編を演劇に変換するところから創作をスタートさせる。音楽を演劇に変えていく作業と小説を演劇に変えていく作業は使う脳みそが似ているで違う。帰り道、こうなったらいい、ああなったらいいみたいな話を沢山したと思う。

2018.12.7 お昼は観劇。奮発してA席。本当に本当に良かった。カーテンコールで思わず声が出てしまった。住んでる世界の違いというか、見ているものの違いというか、自立した俳優とはこういうことだよっていうのを突きつけられ続けたこの日の2時間半は今後しばらく杭のように自分の中に残ると思う。歳を重ねたらいつかやりたい戯曲。夜はコムナルカ稽古。

2018.12.6 コムナルカ稽古に合流。こちらは1月11日初日。去年の東京芸術劇場のワークショップで出会ったメンバーが立ち上げた団体。参加できる稽古が限られた中で何ができるか、そんなことを考えつつ、ひとまず一生懸命お稽古。

2018.12.5 おそらくこの日から本格的な稽古が始まった、はず。1幕を試す。下手したら小学生ぶりに縄跳びを飛ぶ。縄跳びってめっちゃ疲れるじゃん!!

2018.12.4 大きめの脱感のようなものに襲われていたと思う。こういう時はダメになれるだけダメになろうって感じだったはず。

2018.12.3 中学校のワークショップ最終日。修学旅行の思い出を演劇にするというもの。ひたすら稽古をして最終発表。アドレナリン出まくった。最後、コメントを求められたけど今ひとついいこと言えず。勉強もスポーツも絵も音楽も特に秀でることなく、かといって面白くも独特でもない、そんな人でも何かを演じてる時だけは輝ける、輝けなくともなんか分からないけど心がほんのり汗をかく、そんな経験人生でそうそうないぜ!何今の!?ってなってくれれる人が一人でもいたらいいな。永遠に掴めない瞬間に手を伸ばし始めたときから表現というのは始まるのかも。なむなむ。。

2018.12.2 夜にヌトミック稽古。自分たちで現代音楽を作ってみようの日。あくびをする間だけ体を屈むことができ、演奏者全員が床に寝そべってため息をついたら演奏終了、といった作品を作ったと思う。次にそれをどうやったら演劇として上演できるかをやってみる。父母娘の3人の話で、父母が先に死に娘もその後に死ぬ、みたいな話になったと思う。もっと詰めれたと今でも思う。中東の音楽のドキュメンタリー映画を見るも心地よすぎて途中で寝たのもこの日だったと思う。

2018.12.1 多分だけど稽古がオフになって映画を見に行ったと思う。うわ、何を見たんだっけな。。坂本龍一のドキュメンタリー映画を借りたのはこの辺りだと思う。

2018.11.30 稽古初日。元々10分だった作品を60分にするという額田くんの戸惑いと興奮したのを覚えている。額田くんが紹介してくれた有名な現代音楽の作品(木の枝をポキポキ折って細かくして手の中でふって投げるというもの)を「演奏」し、「上演」もしてみる。行為が伴う現代音楽はそれだけで演劇的。でもそれを演劇として上演するならどうするか。うんうん考えてなんだかラブストーリーみたいな作品を作ったと思う。

これは演劇ではない俳優ブログ 1《2018.12.26》

深澤しほ(ヌトミック)(ヌトミック『ネバーマインド』出演)

ダイソーで見つけた便箋は、私が先日、後輩からもらった手紙と同じ柄をしていた。ちょうど文通が流行っていて、色々な便箋を集めては、どうでもいい出来事を書いて友人に渡した。見つけた便箋が、そんな手紙に使われた便箋だったらよかったのだけど、後輩が突然渡してきたものには「好きです」の文字が書かれていた。

返事は決まっていたけど、どういう言葉で伝えたらよいか考えているうちに数日は経っていた。学校の帰り、母の迎えを待つ間に立ち寄ったダイソーで見つけたのが、小人が踊る絵柄の便箋だった。


ところで、女子がバレンタインにかける費用は、母親の力がなければ賄うことができない。私の通っていた学校はアルバイト禁止で、毎月のお小遣いだけでは思い描くバレンタインチョコを作ることはできなかった。

母の協力を得て、無事に全ての準備が整ったとする。ここからのスケジュールをいかにこなすかが勝負。

バレンタインの前日が平日の場合、部活が終わって即帰宅し、バレンタインチョコを完成させる。手際よく。失敗は許されない。

睡眠時間はしっかり確保しないと翌日の体調に響くので23時には就寝。翌朝、早く起きてラッピングを完成させる。

とにかく、バレンタインにはお金と時間と労力がかかる。私のレベルでなにが作れるか、どんなラッピングにしようか。

どちらかといえば完璧主義の私は、1つのイベントに対して込める熱量が周りの友人より高かった。合唱コンクール、学園祭、部活動、中途半端に参加している友人をみるのが嫌だった。

好きな相手に思いを込めたものを送るとき、学生の私は、それはお金と時間と労力がかかることなのだと思っていた。

だから、ダイソーの便箋で書かれたラブレターに、私は違和感を覚えてしまった。ダイソーの5枚組セットの便箋だったら、1セット20円。いや、もしかしたら何度も書き直したかもしれない。

文章に掛けた時間は私にはわからない。でも、その文章を乗せる便箋はもっと選べたんじゃないだろうか。本当に彼は私のことが好きなのか。ダイソーの便箋でもいい女だと思われたんじゃないか。学校の近くの文房具屋 の方が、多くの種類の便箋があったはず。

ダイソーで、小人が踊る便箋を見つけてしまった私はショックだった。だから今でも記憶に残っている。


当時に戻れるなら、このような思考を持ってしまった私を本気で怒りたい。

まず中学生男子が便箋にこだわるか。好意を相手に伝えようとすること自体がすごいことなのに。好意を寄せた人がこんな思考をしていた女だったこと、本当に申し訳なく思う。

あれから十数年経った今、文字通り価値観は変わった。ダイソーの便箋でも、ルーズリーフでも、ポストイットでも、相手の思いが乗っているものを受け取るのは嬉しい。

ダイソーの便箋で書かれたラブレター、嬉しいか、嬉しくないか。今ははっきりと嬉しいと思える。大人になった。

でもやっぱり、当時に戻ったとしたら、どうせなら文房具屋の380円くらいの便箋の方が嬉しかったかもしれないという思いも若干残っているところに、私の変わらなさを感じる。


そういう絶妙なバランスの中を泳ぎながら稽古してます。1月3日に初日を迎える「これは演劇ではない」ご期待ください。

これは演劇ではないブログ 21《2018.12.01》

最近楽しかったこと

―額田大志

ヌトミックの額田です。

フェスの開幕まであと1ヶ月!
寒くなってきて、もうすぐ「これは演劇ではない」の季節だ、と肌で感じてます。

それと同時に稽古も始まって、稽古はもちろん好きだけど、産みの苦しみももちろんあって、あぁ、なんか楽しいことないかな〜、と思ってしまったので、11月の楽しかったことを挙げてみました。

1:ヌトミック愛知ツアー
11月頭、ヌトミック『ワナビーエンド』で初めてツアーしました。初めてなのもあって、まじかよ、ってくらい、非常に大変なこともあったけど、楽しかった。 そして、呼んで頂いた愛知県芸術劇場は、素晴らしい場所だった。

クリエイションも音響の山口剛さんが加わって、別物じゃん!ってくらいに変わりました。そして、作品が育つ、という感覚がわかりました。確かに0歳だったのが、1歳くらいになった気がする。
機材などの設備も、これでもか!という程に充実していて、仕込みの段階からめちゃくちゃワクワクでした。なんでも出来る。昇降機の使い方がわかった。またここで上演するために頑張ろうと思います。

©タカラマハヤ


2:東京塩麹の名古屋ライブ
同時に劇場で開催した、東京塩麹の名古屋ライブも楽しかった。ライブの日は名古屋の滞在6日目くらいで、そこまで毎日フル稼働していたからか、開演前にアドレナリンの限界が来た気がしたけど、本番が始まったら再び分泌されました。しっかりやりきれた。暖かいお客さんでした。
物販のTシャツが完売しました。劇場スタッフさんがナチュラルに購入してくれたのも嬉しかった。

©コムラマイ


3:名古屋でダーツ
ダーツもちょっと楽しかった。
ライブが盛り上がると、やっぱり嬉しくて、脳から麻薬でも出てるのかな?ってくらい、ハイになる。その結果が、夜の名古屋で初めてのダーツでした。東京から来てくれた友人たちを交えて、打ち上げして、そのまま宿に戻る途中にダーツ屋があって、何となく入って、この感じは大学生に戻った瞬間!って高揚感だったけど、スコアは散々でした。


4:名古屋モーニング
名古屋に来るたびに楽しみにしているのがモーニング。今回もできるだけたくさんのモーニングに行って、モーニングの差を楽しみました。たくさん行ったけど、公演期間中で緊張していて、そこまで味を覚えていないのが残念。ちゃんと写真も撮っておこうと反省しました。


5:京都ライブ
11月4日に、京都でもライブしました。楽しかった。空間現代との2マンでした。
終演後に空間現代と東京塩麹のメンバーが、ライブハウスのテーブルを囲んで、あれやこれや話していたのは、バンドやってて嬉しい瞬間だった。憧れのバンドと、同じ空間で、変に気を使わずにいれる、というのが。 空間現代も、個人的に今まで見た中でベストアクトでした。

そしてライブには、5月のアゴラ演出家コンクールでご一緒した和田ながらさんが見にきてくれたり、東京以外でやると、そんな久々の出会いがあったりして、この日もまぁハイになってしまい、、、。

©コムラマイ


6:京都の打ち上げ
宿に戻ってから、今度はバンドメンバー数名で打ち上げ。深夜まで空いているイタリアンがあって、そこが美味しくて、バンドは結構長くやってるとはいえ、メンバーも多いし、ゆっくり話すことも中々ないので、楽しかった。
美味しいと楽しいは密接に繋がる!と思った。


7:伝説の銭湯
そのまま京都の銭湯へ。行けてよかった。僕はサウナが大好きで、日頃からよく銭湯に行くのですが、「サウナの梅湯」は、これまでにもWebメディアとかで度々見ていて、偶然、宿から一番近い銭湯で、運命じゃん!って感じで、行きました。

全国的に、若い人が銭湯をリニューアル(建物を新しくするのではなく、サービスを見直したり、独自のシステムを組み込む)流れがあると思うのですが「サウナの梅湯」は、その先駆者的な銭湯で、なんだろう、ずっとプレイしたかったゲームが手に入った、みたいな感覚でしょうか、そんな興奮もありました。


8:超常現象館が届く
11月5日、久々に自宅に戻ると「超常現象館」の本が届いていた。
すみません、まだちゃんと読めてないのだけど、読むのを楽しみにしている、という意味で、楽しいことリストに入れました。


9:F/Tトーク
11月8日、フェスティバル・トーキョーの企画に呼んで頂き「ディレターズ・トーク」に出演しました。
長島さんと河合さんが、とても話しやすい空気を作ってくれて、まだまだ全然話すことあるのに!ってくらいに、90分があっという間でした。
フェスティバル期間中で、お二人とも、とてもお忙しいと思うのだけれど、終わってから近くの中華料理屋に行ったのも、良い思い出です。あとなぜか舞台の小さめの打ち上げって、中華料理屋が多いですよね。音楽だとそんなことも無いのだけれど。何でだろう。。。


10:底なしのバケツのようにざらざら、リリースパーティー
呼んでもらいました!演奏しました。11月10日。
アルバムのリリースパーティーは、自分も音楽をやっているから思うけど、とても大切なライブと言えると思います。演劇だと数年に1度の本公演のような、尋常じゃない熱量で作るイベントのような。で、それに声を掛けてくれたので、それはもう嬉しくて、二つ返事で出演を決めました。

そもそも今年のフジロックで、東京塩麹が「底なしのバケツのようにざらざら」(バンド名です)と、偶然同じステージに出演して、お互いが偶然演奏を見ていて、さらに偶然というか、音楽的にわかり合う部分があって、変拍子良いね、とか、そのキメが熱いね、とか。まぁ正直フジロックでは一言も喋らなかったけど、えっ、かっこいいじゃん!って、心の中でお互いが思っていた状態で、東京に戻って、それが、繋がった瞬間が、彼らのリリースパーティーでした。バケツの演奏も本当によかったし、そんなエモーショナルな背景があって、そういうのはお客さん的には、あまりどうでもよいことかもしれないけど、僕らとしては、そんなイベントに出れてハッピーでした。リリースおめでとうございます!


11:秋葉原でお茶
で、ライブの前は、リハーサルが終わって暇になったバンドメンバーと、川が見えるカフェでお茶してました。結構、それぞれの将来のこととか、今まで話したことが無いことを話したりして、別に悲しいこととか、エモーショナルなことを言ってるわけでもないのに、なんだかその状況に泣きそうになる、そんな時間。夜の高速道路を走っていると、なぜか泣いてしまうことがあるけど、それに近い感覚でした。僕だけだったらすみません。


12:それからの街を見る
和光大学の演劇団体「あんにゅあーじゅ」が、自作を演出してくれました。いや、もうこの段階で、嬉しいことこの上なし、なわけですが、作品も面白かった。もちろん、バイアスが掛かっているとは思うけれども、それを差し引いても、自分の作品の新しい一面が見れて、素敵な時間でした。

原作者の性分として、そこは違くない!?、と思う演出もあったりするんですが、それも含めて、同じ戯曲で出来ることの広さを知って、これは、昨年に鳴海康平さんが同作を演出して頂いたときにも感じたことだけど、演劇って懐が深いと思えた。
写真は和光大学の校庭。


13:ビルを囲んでダンス練習
11月17日には、今度は自分たちの、東京塩麹のリリースパーティーがあって、ダンスのゲストでAokidさんと坂藤加菜さんが出演してくれました。
で、その数日前、急遽、1回ダンスだけで稽古したい、となり、リハーサル開催。場所は、急だったのでいつもの稽古場が使えず、ストリートダンスの練習場所として知られる、安田ビルに!
なんか部活っぽくて、すごく楽しかった。ダンサーが何十人とビルを囲んで踊っていて、その世界のルールみたいのを全く知らない自分がその場所にいるのは不思議で。Aokidさんも、坂藤さんも、出自は(と呼んでいいかはわからないが)ストリートダンスをしっかりやっていて、2人の独自のダンスが、多くのストリートダンスの中に溶け込んでいるのも、新鮮だった。そして、このときに見せてもらった通しがとてもよくて、リリースパーティーが上手く行く気持ちが高まった。


14:東京塩麹 リリースパーティー
ついにきた!といわんばかりの、リリースパーティー。
結果的に最高に楽しいライブになりました。

アルバムを出すときは、まずライブの日程を組んで、そこからリリース日を逆算することがあります。
今回もそうで、とりあえず1年前に会場だけ押さえて、そこからリリース日が決まりました。なので、1年間、常に頭の中にはこの日のことがあった。

あまり書くとあれですが、個人的に、しっかり集中もできつつ、テクニカル面も上手くいき、人生史上ベストアクトだったと思います。
なにより、会場のスタッフさんが笑顔だったのが、めっちゃくちゃ嬉しかった!その笑顔をみたときに思ったけど、こうやって、不特定多数の誰かに届けたくて、このために音楽をやっていた、と言っても過言ではない、とキーボードを弾きながら思った。自分のためであり、誰からのために音楽をやっている。

ゲストのASA-CHANG&巡礼、Aokid、坂藤加菜、ermhoi、Queも驚くほどに、このライブのために準備を掛けて頂き、そういうのって、お客さんにも伝わるから、幸せな時間が生まれたのだと思う。

あと、もしかしたら、普段あまりライブなどに行かない人は、とりあえず、ちょっと興味があるアーティストのリリースパーティーに行くと良いかと思いました。ライブはどうしても演劇と比べると回数が多いので、どれを観に行くべきか?と迷うこともあると思いますが、リリパは、アーティストがそのときのベストを尽くすし、ほぼ間違いなく良い演奏になるし、お客さんの熱量も高いので、オススメです。


15:曽根企画打ち合わせ
本日情報公開されました!曽根企画に参加します。ジャン・コクトーの小説『恐るべき子供たち』を舞台作品にします。アンファンテリブル!

この作品、動員400人目指します!と宣言しているのが、僕はとても良いと思っています。基本的に、動員、売上、再生数、、、など、数字で物事を判断することに強い抵抗があるのですが、一方で、動員がある程度まで行かないとプロになれないよな、という気持ちも強くあります。ある程度、の大小は様々ですが、まずは400人、というのは、東京だったらすごく手の届きそうな数字だし、挑戦しつつも無理のない数字で、漠然とプロになろう、と思っていても、なれないし、とはいえ、いきなり数千人とか言われても、困ります、という場合において、共感できる数字でした。初の劇場公演で目指せ400人!

ということで、いきなりの宣伝ですみませんが、ご来場お待ちしています。僕は音楽作ります。作品の創作過程、つまり制作面が既にかなりしっかりしているので、内容はわかりませんが、クオリティは間違いなく高くなると思います。
(その公演の打ち合わせが楽しかった、という話でした)


16:即興的最前線
11月24日。朝、Googleマップで調べたら遠い、、、となったけど、行けて良かった。会場がギャラリー?で、自由に見れると思いつつも、実際は演奏を目の前でしているから、観客はそこまで自由に動いたりはできない(が、動く人もいる)、という、このジレンマが会場全体の集中力を生み出していました。
知り合いが出演している、というのもあったけど、フライヤーが良くて、それが行く決め手になった。フライヤー大事。


17:ディズニーシー
翌日はディズニーシーに行きました。演出家は、小馬鹿にすることなく、ディズニーランド、ディズニーシーは絶対行った方が良いと思う立場です。無条件でアガってしまう、あのショーの数々といったら。。。

別段ストーリーがなくても、人間の根源的な欲求に訴えることで、一気に数万人の人を感動させる演出。あとテクニカルも常に更新され続けているので、最先端のオペレーションが見れたりします。2年前に見た、ディズニーランドのシンデレラ城のプロジェクションマッピングは、今まで見たプロジェクションマッピングの中でもベスト級でした。

あとディズニーランドは、上向きの空気がすごくて、ある意味では夢の国に最も近いのでは?と思います(先日、長時間労働問題が浮き彫りになったこともあり、全てが賞賛できるわけではないですが)

ディズ二ーには、お客さんも楽しもう!と思ってきているし、スタッフさんも楽しもうとしている人がいるから、楽しく働こう!という気持ち。これってかなり、良いライブの雰囲気に近いな、と毎回思います。相乗効果。帰りの電車内ですら、何だか特別な時間に感じられるのが面白いです。

余談ですが、1日の平均来場者数が10万人くらいらしく、その数字の大きさに、引きました。「センターオブジアース」に並んでいる途中に、カフカの「流刑地にて」を読みました。


18:東京塩麹 MV公開
これがとてもすごいのです!ぜひ観て欲しい。夏頃からじわじわ作っていました。撮影も楽しかった。
https://youtu.be/ShHAzAHXjjs


19:MUSIC SHARE
11月27日、Web音楽番組に2度目の出演。
同じ番組に再び声をかけてもらうのは、やっぱり嬉しいです。Aokidさんとermhoiもゲストで参加。ダンスが映像でどうやって見えるのか気になっていたけど、いざやってみると、なんというか、カットによっては映らなかったりするのが新鮮だった。ライブだとどうしても、Aokidさんばかり見ちゃうから。ダンスもメンバーの1人、構成要素の1つ、って感じで、好き嫌いはあると思うけど、これはこれで良さがあると思いました。

終わってから、ermhoiとスタッフ鈴木の誕生日をサプライズで祝う。コージーコーナーのケーキで良いのか、最後まで迷った。


20:範宙遊泳
新作『#禁じられたた遊び』がとても面白かった。始終、次に出てくる台詞が気になって、前のめりで観れた。
戯曲も演出も、俳優もテクニカルも制作も、恐らく全てが上手く行って、すごく充実したクリエイションだったのではないか、というのが、上演からビシビシ伝わってきた。出演者全員が作品を信じている気がした。そんな力強さも良かったです。


21:焼肉
11月29日、大きめの仕事の納品が終わったので、いわゆるご褒美的に焼肉を食べに言った。
肉寿司?みたいのを、たぶん人生で初めて食べたけど、美味しかった。


22:さんま
11月30日。最近は魚介類をグリルで焼くのにハマっています。基本、塩を振って焼くだけだから楽、っていうのが大きいのですが。。。
自炊は、自分が食べたいぶんだけ作って、もっと食べたくなったら追加で作っちゃえば良い、その自由なところが、楽しくて好きです。


、、、、、、、、、、、と、挙げていったら切りがないと思い、このくらいで止めておきます。
なんだか11月は楽しい月だった気がしてきました。

これは演劇ではないブログ 11《2018.9.22》

1週間の備忘録

―額田大志

9月12日(水)
センター北駅の稽古場で、ダンサーAokid率いるTalkingKidsHi5『BABY BABY,THIS UNBELIEVABLE LOVE!』の稽古。劇中曲のよだまりえ「イルカ」をアレンジしてリハーサル。その後、通しつつ全体の流れを確認。終わって稽古場で缶ビールを飲んで、いつもはちょっとダラダラしたりするのだけど、今日はすぐに帰宅。家で劇中曲「メガトン級LOVE」のトラックを作り、「水曜日のダウンタウン」の録画を見て、寝る。

9月13日(木)
朝一で代々木八幡へ。東京塩麹のMV打ち合わせ。監督、カメラマンと一緒に、実際の撮影場所を見つつ、撮影方法と小道具などを詰める。映像のクリエイションは未だ慣れなくて、本当は演劇と共通するところもあると思うけど、全然別物、のようで難しい。その後、センター北駅に移動して稽古。岡田智代さんがチーズケーキとショコラケーキの差し入れを持って、見学に来てくれた。岡田さんは昨年ご一緒したときも感じたけど、孫を見るかのように(すみません)、見守ってくれる。どんな形であれ、肯定してくれる人が側にいるのは心強い。夜はさいたま芸術劇場にKawai Project『お気に召すまま』を観に行く。来年、アゴラで同作を上演するので、本番直前だけど、どうしても見たかった。見ながら、配役や演出方法などを考える。お気に召すままは、何も配慮せずに上演すると、現在の倫理観ではかなり危なっかしい上演になることが改めてわかった。

9月14日(金)
TalkingKidsHi5『BABY BABY,THIS UNBELIEVABLE LOVE!』初日。ということで、小屋入りして仕込んで場当たりして、あっという間に初日終演。本番中は、自分のパフォーマンスに怖気付いて、80%くらいの気持ちになってしまった(心が折れた)瞬間があり、反省した。トークゲストは中山晃子さんと池澤龍作さん。中山さんとは何度か本番でもご一緒したけど、こうやって話したりする機会は中々なく新鮮。トークは過去最高にピリついた雰囲気だった。これは良い意味です。

9月15日(土)
『BABY BABY,〜』2日目。今日はスペシャルライブ、という趣で、マーライオン、荘子it、テンテンコらも交えたイベント形式。TalkingKidsHi5のよだまりえが、別現場のため不参加なので、Aokid、米澤一平、福原冠、と僕の4人で新たにパフォーマンスを組み直す。お客さんの入りは少なめだったものの、ライブが終わった後には、なんだかやってよかった、と思えるプチ高揚感のようなものがあって、それは高校の文化祭を思い起こすような清々しさで、気持ち良かった。

9月16日(日)
『BABY BABY,〜』最終日。昼公演と夜公演の休憩中に、横浜家系ラーメンを食べる。2ステージを終え、バラして、プチ打ち上げをして、帰宅。だいたい帰るときは、福原冠さんと方向が一緒になるので、毎日演劇の話をして帰った。この日は古典戯曲のオススメを、福原さんが幾つか挙げてくれたので、iPhoneにメモした。メモだけして見返さないときも多々あるので、見返さなければ行けないと思った。

9月17日(月)
朝早く起きようと思うも、本番の疲れで無理だった。1週間ぶりにヌトミック『ワナビーエンド』の稽古。10分くらいのシーンを、5時間かけてじっくりやってみる。クリエイションはスムーズで、出演者の2人、深澤しほと、中澤陽と、かなりのグルーヴを感じる。今作はちゃんとした?、ダイアローグがあって、演劇だね、という話をする。稽古途中に雨が降ってきて、中澤さんに2本目の傘を貸した。夜は同居人の「ふるさと納税」で届いたステーキを焼いた。焼き方をいろいろ調べたけれど、まちまちだったので、検索で3番目くらいに出て来た本格派っぽいサイトを参考にした。そのまま明け方まで作業。

9月18日(火)
昼くらいに起きて、来年の秋に予定している公演の打ち合わせへ。劇場の人と、誰かコラボしたい人はいますか?という話をして、思いつくままに名前を挙げたりして、その身勝手な時間はとてもワクワクした。寝起きで向かったからなのか、しどろもどろになってしまった。その後、自宅でひたすら作業。週末のダンス公演『こんなに知らない貝と皿』の音楽の仕上げ。微調整を重ねる。並行して東京塩麹の新作ジャケットも納品。夜は、近くのオオゼキで買った秋刀魚を焼いた。先月行った小豆島で買って来たポン酢で食べたら美味しかった。そしてまた、作業を再開して、音源を送って、これも書き上げました。週末は、ぜひSCOOLへ。

2018.9.22(sat)-9.24(mon)桑原史香×坂藤加菜『こんなに知らない貝と皿』@三鷹SCOOL
http://scool.jp/event/20180922

なにも起きない毎日、ではないけれど、なんだかささやかな日々、のようなものを過ごしていると、備忘録を見て思った。思い描いていた未来はもっとアバンギャルドなものだったけれど、案外収まるところに収まるのだろうか。

収まってはいけない、と思い、打ち合わせに向かう途中、とりあえず原宿の裏路地を歩いてみて、見慣れないイタリアンなどが目に入って、あぁこういうお店もいいな、と思い、行ってみたいなと思ったけれど、一番記憶に残っているのは、「あっ、こんなところにUFJ銀行あるんだ」、だった。この裏路地の景色を台詞にするとき、きっと自分は「あの、まぁそれで、UFJがあったんですけど」的に、UFJをキーに描いてしまうと思った。本当は、UFJのUも出てこない、イタリアンとかクラブとか、ストリート感、みたいな言葉が溢れてきても良いのに、今の自分に描けるのはもしかしたらUFJ銀行が相場なのかもしれない。そう思うと、ささやかな日常、にはぴったりだけど、もっとアバンギャルドに生きなければと、思って、今日はレディースのシャツを着てみました。

これは演劇ではないブログ 08《2018.9.6》

ヌトミックのコンサート、開演

―額田大志

演劇の作り方が、徐々にわかってきた。
そんな感覚を覚えたのはここ数ヶ月。

演劇の世界につま先だけ突っ込んでいたつもりが、いつのまにか両足の太ももくらいまで浸かっている気がする。
演劇を生業にしている知り合いや友人も増えた。これは嬉しいし、楽しい。演劇の素晴らしさも知ることができた。

しかし一方で、どうすれば舞台が成立するのか、あるいはしないのか。
どんな風に進めていけば、失敗せずにクリエイションができるのか。
そんなことが、少しずつだけどわかってきた。

創作のストックが増えた、と言えばそうなんだけども、これから先も作り続けていく中で、なんだか自分の作品が、自分の手の届く範囲に収まってしまうのではないか、という危機感がある。
自分はもっと、果たしてこれは何なのか、言葉を尽くしても説明できないような、わからないものが見たい。

そこで企画したのが、ヌトミックのコンサート。
昨日最後のリハーサルを終えたが、これがどう観客に届くのか、、、想像するのが難しい。

戯曲を演奏すること、俳優と音楽家が共に演奏すること、そして数十年前の現代音楽を演奏すること。
演劇と音楽の狭間を往き来する楽曲たちが、何を表象し、どう受け止められるのか、まだ自分は言葉にし辛い。
ただ、これは面白いと思う、という漠然とした確信だけがある。

わからないことを、わからないままに、複雑なことを、複雑なままに届けるのが、アーティストの仕事だ。
まだ自分も不確かな、その愉しさを探る時間は、怖くもあり刺激的で、だからこそ作ることが愛おしいのだと思う。

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フェスティバル「これは演劇ではない」関連イベント
『ヌトミックのコンサート』

2018年9月8日(土)15:00/19:00
全2公演。演奏時間は途中休憩を含み80分を予定。

<出演>
池田若菜
額田大志
深澤しほ
細井美裕

<プログラム>
・額田大志:舞台俳優のためのピアノソナタ(世界初演)
・額田大志:ネバーマインド(世界初演)
・額田大志:何事もチューン
・額田大志:それからの街
・額田大志:SUPERHUMAN
・John Cage:4"33
・Christian Wolff:Sticks
・長井桃子:日本の歌
・池田萠:いちご香るふんわりブッセ/うさぎのまくら クリーム金時
※曲順は未定、なおプログラムは変更の可能性がございます

<会場>
SCOOL
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀 3-33-6 三京ユニオンビル 5F
三鷹駅南口・中央通り直進3分、右手にある「おもちゃのふぢや」ビル5階

<チケット>
予約 2,500円
当日 3,000円

予約はこちら
https://ws.formzu.net/fgen/S3086998/

※受付開始・開場|開演30分前
※各回、当日券を開演30分前より販売予定
※全席自由席・到着順のご入場
※未就学児童の入場不可

<スタッフ・クレジット>
宣伝美術|タカラマハヤ
制作|河野遥
協力|みんなのひろば、これは演劇ではない
主催|ヌトミック

<お問い合わせ>
nuthmique@gmail.com (河野)

これは演劇ではないブログ 03《2018.8.4》

『失敗した演出』

―額田大志

昔、とある販売店に勤務していたとき、アルバイトを指導する機会がありました。

具体的には「接客マナーの向上」。対お客様に、気持ちよく買い物をしてもらうためのトレーニング、とでも言えるでしょうか。

接客業に従事していた方であれば、伝わるかと思いますが、こういった場合に使われる表現は「お客様を思って」「もっと気持ちを込めて」など、非常に抽象的な指導(演出)ばかりです。

現代口語演劇に影響を受けた身としては、この状況に黙ってはいられません。

例えばお客様への謝罪は「腰の角度を45度にすると、より申し訳なさが伝わると思う」あるいは「お辞儀を戻すタイミングは、+3秒待った方が申し訳なさそうだよ」といった指導(演出)を続けていました。

しかし、この演出、、、というか指導は全く響かず。退職するまで根気よく続けましたが、失敗に終わりました。

僕としては、こんなにも接客業に応用できるメソッドがあるのに、なぜみんな取り入れないんだ!くらいの憤りを感じていました。演劇ってこんなに面白いのに、と伝えるチャンスを逃したとも言えます。 (今考えるとヤル気のない社員に見えたのかもしれませんが)

ちなみに最近引越したこともあって、NHKの集金さんが訪問してきました。この時にも、接客を受けながら似たようなことを考えてしまいました。

なんとも性格の悪そうなブログになってしまいましたが、演劇の面白さがより多くの人に伝われば、と、率直に思っています。フェスティバルへのご来場、心よりお待ちしています。

 ヌトミック 主宰
 額田大志